ゴードン・ハッチングス

ゴードンさん

6月にコッペリアの衣裳を準備していると、
1990年に初演の衣裳製作をした頃が思い出されます。

その年、以前から井上バレエ団の全幕公演のデザインをして下さっている
ピーター・ファーマーの紹介で、ゴードン・ハッチングスが 『強〜い助っ人』 として
柊舎に滞在し、男性やお人形達の衣裳を担当して作業をしたのです。

ハッチングスさんはバレエダンサーから衣裳製作に方向転換したオーストラリア生まれの方です。
60年代初めにロンドンに渡り、サドラーズ・ウェルズ・オペラで仕事を開始。
以後、イングリッシュ・ナショナルバレエ等イギリスのバレエ団だけでなくカナダのウィンペグ、
オランダ国立バレエ団、シュツットガルト、サンフランシスコ等、世界中の主なバレエ団の衣裳に関わってきた達人でしたが、私たちの間では 『ゴードンさん』 と呼ばれ、
穏やかな優しい笑顔のオジサマでした。




私たちは自分の仕事をしながらも、本場の衣裳がゴードンさんの手で日々出来上がっていく過程を間近に見て全てが 感激! の連続。

全く日本語は解らないゴードンさんでしたが、衣裳の作業をしている間は、
スタッフが日本語で質問して:
『ゴードンさんここ、どうしたらいいですか??』
彼は英語で 『OOXX、OXX・・・』 と答える。 
言葉は通じないのに、なぜかお互い意味が通じてしまう?!  これは不思議でした。

以後13年間、毎年6月〜7月にゴードンさんは柊舎に滞在し、
私たちと一緒に公演の衣裳製作をしました。
『ゴードンさ〜ん!お茶で〜す!』
『ハ〜イ』と答えるゴードンさん。
彼の作品や作業をしている姿を見る事は、私たちには大変貴重な時間でした。

香港の芸術アカデミーで衣裳製作の指導をしていらしたこともあり、
時間のあるときは、私たちには苦手になりがちの男性衣裳についてや、
パターンの講座をして下さったりして・・・・・

毎年7月の終わり頃に ”See you next year!" と言って帰国し、
翌年の6月 ”Hello〜!"と穏やかな笑顔で現れるゴードンさん。

2003年の7月も「眠れる森の美女」の仕事を終えて、
”See you next year!"と笑顔で元気にお別れしましたが、
その年の終りに急逝され、もうあの笑顔にお会いする事が出来なくなりました。
本当に ”Be loved person” でした。

でも柊舎の中には今でもゴードンさんの教えが続き、私たちはそれを大切にしています。



男性衣装

<只今公演準備中>

 写真をお見せするにはちょっと雑然としていますが、
 ただ今仕分け作業中の公演用衣装達。
 ゴードンさんの作品。



 

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